2024/05/13
388 :387:2010/02/22(月) 23:59:45 0翌日うちにきたコトメに、トメは「施設に入りたい」と訴えたそうだ。
トメは大ウトメの介護をしていて介護をする辛さも知っているし、娘や嫁に下の世話をされるのは恥ずかしい、
それならお金を払って他人にやってもらうほうがよいとコトメに言った。
コトメも私も少し前から自宅での介護の限界を感じてた。
トメにはお金もあるし、コトメ夫のつてでいくつか優良と思える施設を探していた。
コトメはトメにも私にも内緒で施設の見学に行って、目をつけた施設があった。
そしてコトメ夫婦と私達夫婦とトメで、トメの今後について話し合いをすることになった。
コトメ夫婦と私はトメが施設に入るのに賛成だった。反対したのは夫一人。
「家で介護されるのがトメには一番幸せなはず」というのがその理由だった。
よくいうよ。夫はなにもしなかったくせに。
介護経験も知識もないコトメや私が、ほぼ同じ体格のトメの入浴介助をするのは大変だった。
歩くのを支えるのだって大変だった。
コトメが日中我が家に来てトメの介護をしていたから、コトメ家の家事は滞っていたのに、コトメ夫は文句ひとつ言わなかったそうだ。
コトメコもお婆ちゃんのためだからと、家事を手伝ったりしていたそうだ。
夫は私が料理をしている最中でも私を呼びつけてトメのトイレ介助をさせた。
トメはトイレまで支えて歩かせたら、あとはきちんと自分でできたのに。
「あんたは何もしないでしょう?大体施設に行きたいと言うのはお母さんの希望なんだよ」という私の言葉に返ってきたのは、
「そんなことに無駄金を使う必要はないんだ。遺産が減るだろ」という夫の言葉だった。
その場に居た皆言葉を失った。夫も失言に気付いたみたいだったけど止まらなかった。
嫁と姉が介護すればウト遺産がまるまる残る、介護施設なんて金を吸い上げる悪徳ばかり・・・夫の暴言は止まらなかった。
気がついたらトメがぼろぼろ泣いていて、コトメ夫が夫に掴みかかってた。
389 :387:2010/02/23(火) 00:01:52 0その後トメを連れて私はマンスリーに移った。
施設に入るには手続きとかいろいろあって少し時間がかかったんだけど、夫と一緒にはしておけなかったし、
コトメ家は3人の中高生がいて、空いてるスペースなんてなかったから。
コトメが日中は介護して、夜は私が看て、週末にはコトメ家族がトメをいろんなところに連れて行った。
トメは弁護士だかなんだかを入れて、財産の管理人をコトメにした。
トメが施設に入ってからしばらくして私は離婚した。
私がトメの介護をしている間に、不倫していたのが分かったから。
不倫相手に押しかけられて知った。
でも、離婚の一番の理由が不倫じゃないってことを夫は気付かなかったと思う。
離婚して、私は知人の紹介で遠くで働くことになって引っ越した。
引っ越してもトメには手紙を送って、トメからも手紙や、たまに施設で作った小物が送られてきた。
コトメからトメの写真が送られてくることもあって、孫3人に囲まれてすごく幸せそうだった。
それからもっと年月が過ぎて、トメが亡くなったとコトメから小包と手紙が届いた。
トメがウトから銀婚式に買ってもらったネックレスと指輪を私にと残してくれてた。
遺言で嫁に少しだけどお金を渡すようにあった、けどトメの施設費用や旅行なんかで全部使い切っちゃったもんね!
とコトメからの手紙にあった。
コトメ最後まで良コトメだった。
遺産が1円もないって分かったときの元夫の顔がみてやりたかった。
私に親がいなくて、良ウトメとコトメだったから仕事しながら介護とか頑張れたんだろうなあと思う。
片付けてたらトメのネックレスと指輪を見つけて昔語りしてしまった。
続きます…